迷い道とバケツ猫

新譜「迷い道とバケツ猫」
無事に10月30日にリリースを迎えることができました。

この作品は、群馬県の前橋にあるギャラリーアートスープさんから
イベントのためのイラスト制作のご依頼をいただいたことが
きっかけとなって出来上がった作品です。

制作のために訪れた前橋の町、
アーケード商店街、不思議な五差路、街の歴史など…
その街に刻まれている歴史や、そこで暮らす人々の想いや軌跡、
それを観た時に感じた思い、
もしそこにロボット頭が存在したら…と想像を膨らませて、
ストーリーとイラスト、曲作り、歌詞、歌入れ…と
すべてを同時進行で綴っていきました。

楽曲制作をするにあたり、
いつも何かしらチャレンジをしているというのは、
何度かTwitterでも呟いているのですが、

今回は、迷う、探す、ちょっと怪しい感じ
というリクエストがリンドウくんからあり、
1曲の中での展開、最速テンポにこだわって
創りはじめました。

1曲目の「迷い猫」は、ロボット頭が町にたどり着き
自分探しの旅をはじめる最初の曲。
人生は、迷いながらも
どこかを選んで進まなくちゃいけない…。

同じように見える夜でも時間は確実に進んでいて
満月と三日月で時間経過を表して、
入口から道をどんどん進んで同じ道が出てこないみたいに、
次々に展開されていくことを意識しました。

2曲目の「エンケパロス宣言」は、
ロボット頭が迷っているときの脳内を表現しています。
iaitokyo作品史上…いや私史上早いラップ!!!
早口、がんばりました!
人間やれば出来るもんです(笑)

途中で出てくるラジオボイスのようなパートは、
ロボット頭が拡声器を持って
宣言している様子をイメージしています。

ラストでガラリと変わる展開は、
ひとつの答えを見つけたような解放感を出したくて
かなり試行錯誤しました。
結果的に、次の「YOAKE」に向けての時間経過を
うまく創れたのではないかなぁと思っています。

3曲目の「YOAKE」は、
深い夜の闇から徐々に白んでゆく空、
夜から朝へと刻々と変わりゆく町の影と
キラキラと差す太陽の光、寂しさの中にもどこか、
一筋の希望の光が差すような、
そんな音を意識しました。

前半と後半で出てくる重なるコーラスは
重なり合うやまびこのように
優しさで包み込むようなイメージで、
仮歌でこんな感じかなと入れたものが
とても雰囲気がよかったので、そのまま採用しました。

ギターのガガッ!という音から入る後半、
電車が走り始める音をイメージして
ホームでの別れ、離れていく電車を見送る
そんな雰囲気を想像してもらえたらいいな。

マスタリングは、今回も全曲恩賀周平氏にお願いしています。
今回は一部Mixにも関わってもらっていて、
特に1曲目の「迷い猫」は、iaitokyoの音としては、
いままでにない方向性の楽曲だったので、
相談しながら仕上げていきました。

やったことがないことをやってみたり、
あーだこーだと試行錯誤するわけなのですが、
出来上がってみれば、やっぱり「私らしい音」が詰まった
iaitokyoらしい作品になったかなと思います。

絵本の方は全32ページ!
絵本に出てくる登場人物たちは、
自分と、自分の中にいるもう一人の自分、
そして、それを見守ってくれている存在を表しています。

よりストーリーに向き合った作品にしたいなと思い、
はじめてプロローグとエピローグを綴っています。

表紙の、手に持ったときの
さらっとしながらもしっとりとした感覚が好みです。
本文には、今回のイラストに合わせて
マットな質感ながらも、発色がよい紙を選びました。
今回も「傘の下で降る雨」で気に入った
「コットン封筒」にお入れしたパッケージでのお届けです。

従来のCDの形式や、A5のイラスト画集のバージョンも好きなのですが、
本とCDが分離していることで、共存しつつ
手に取りやすいカタチを目指してこの形式を選びました。

ぜひお手に取って、
iaitokyoのセカイを感じてほしいなと思います。